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【野々市】富樫氏の偉業を讃えて~9月27日「富樫祭」献花とじょんから踊り

  • 執筆者の写真: 中村せせらぎ
    中村せせらぎ
  • 9月27日
  • 読了時間: 2分

9月27日(土)、野々市市文化会館フォルテ敷地内にて、加賀国(現在の石川県)を拠点に中世を通じて活躍した名門氏族・富樫氏の偉業を讃える「富樫祭」が執り行われました。

この日は、富樫高家(とがし たかいえ)公が1335年9月27日に足利尊氏より加賀守護に任命された記念日でもあります。地域の歴史を語るうえで欠かすことのできない富樫氏の功績に思いを馳せ、富樫家国(とがし いえくに)公の銅像と、富樫氏の歴史を刻む顕彰碑の前で献花が行われました。

富樫氏は、平安時代前期の武将・藤原利仁(ふじわら の としひと)を祖とする氏族です。利仁公は、芥川龍之介の小説『芋粥』にも登場する、芋粥をもてなした寛大な貴族として知られています。その利仁から数えて7代目にあたる富樫家国公が、康平6年(1063年)に野々市に館を築いたと伝えられており、富樫氏の始祖として顕彰されています。

献花の後には、野々市じょんから踊りが献納されました。じょんから踊りのルーツには諸説ありますが、江戸時代に富樫氏の徳を讃え、武士・町民・百姓の区別なく盆に踊り明かしたという説も伝えられています。まさに「共に踊る」文化の象徴であり、地域の絆を感じるひとときでした。

富樫氏といえば、歌舞伎十八番の名作『勧進帳』に登場する富樫左衛門(とがし さえもん)が有名です。

  • 役職:安宅の関(石川県小松市)の関守

  • 源義経一行が奥州へ逃れる途中、山伏姿で通過しようとするのを取り締まる役目。

  • 弁慶の機転と忠義に心打たれ、通行を許す人物として描かれています。

「勧進帳」とは、寺院建立のための寄付趣意書のこと。弁慶が義経の正体を隠すため、即興で巻物を読み上げる場面が名高く、主従の絆と関守・富樫の義の心が交錯する名場面です。

富樫氏は、「法と情のはざまで人間性を見せる関守」として描かれる一方、史実においても平安後期から戦国期にかけて加賀国を治め、文化・信仰・自治の礎を築いた氏族です。

その精神は、野々市市の市民文化にも息づいています。近年では、富樫氏の物語を描いたマンガ『八曜の剣から加賀・富樫氏の物語』も発刊され、若い世代にもその魅力が伝えられています。

市民の皆さまと共に、地域の歴史を学び、語り継ぐことは、未来への贈り物です。富樫氏の義と情の精神を、これからも大切に育んでまいりましょう。

 
 
 

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