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【野々市】「できなかったこと」から始まる防災力 ー 野々市市総合防災訓練を終えて

  • 執筆者の写真: 中村せせらぎ
    中村せせらぎ
  • 9月28日
  • 読了時間: 3分

9月28日(日)朝8時、サイレンの音とともに、令和6年度の野々市市総合防災訓練が始まりました。一時避難場所である下林さくら公園には、下林町内からこどもさん8名を含む121名の方が集まりました。防災袋の展示や、タオルを使った消火訓練など、実践的な体験を通じて防災意識を高める機会となりました。

その後、避難所となる明倫高校へ、下林・清金三丁目・堀内・堀内新・田尻町・蓮花寺町・柳町の7町内会の皆様が徒歩で集合。ご参加くださった皆様に、心より感謝申し上げます。

今回の訓練で注目を集めたのは、令和6年能登半島地震や奥能登豪雨で実際に被災地へ水を届けた「給水車」でした。野々市市が保有する給水車は、最大3000リットルを積載でき、6リットルの給水袋に換算すると約500体分。こどもから大人まで参加者の皆様は、4つの蛇口から水を注ぎながら、災害時の「水の重み」を実感されたことと思います。

体育館では、避難所の国際基準である「スフィア基準」に基づき、1人あたり3.5㎡の必要スペースをピンクのテープで区切り、実際にテントを立てて体感していただきました。段ボールベッドや持参した防災袋を置くと、想像以上の狭さに驚かれる方も多く、毛布の薄さから「シーツかと思った」との声もありました。こうした気づきが、今後の備えに繋がります。

炊き出しは、昨年備蓄のカセットコンロではお湯を沸かすために時間がかかったことから、ボーイスカウトがバーナーを用意して早くお湯を沸かすことが出来ました。炊き出しには男性やこどもたちも加わり、アルファ米をおにぎりにしたり、野菜を入れて豚汁を作ったりしました。災害時には、誰かが誰かを助けるのではなく、皆が皆を支える体制が必要です。

昨年に続き、4つの防災倉庫の中身を市民の皆様に公開し、最低限の備蓄食料や設備をご覧いただきました。これを機に、1人1袋の防災袋を持ち、食料を備えることの大切さを改めてお伝えできました。

今回の訓練を通じて、私たちは「何ができたか」ではなく、「何ができなかったか」「何が足りなかったか」も知ることができました。避難所の入り口はどこか、被災者名簿の所在、情報伝達の方法、要配慮者への対応、市民同士の声かけのあり方など、それぞれに改善の余地があります。

防災訓練は、完成されたマニュアルをなぞる場ではありません。むしろ、現場での「困りごと」や「戸惑い」を可視化し、次につなげるための学びの場です。地域全体の防災力向上につながることを願っています。

市民の皆様とともに、野々市市の防災力を育てていく——その歩みは、今日のような訓練から始まります。これからも、皆様の声を大切にしながら、誰もが安心して暮らせるまちづくりを進めてまいります。

 
 
 

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