【視察報告】②家庭教育支援の現場から 〜豊橋市・福井県〜
- 中村せせらぎ
- 5 日前
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更新日:9 時間前
5月21日(水)視察2日目は、愛知県豊橋市。人口約36万人を有し、かつては県内で名古屋市に次ぐ第2の都市でしたが、2000年代初頭から中盤にかけてその座を渡し、現在は豊田市、岡崎市、一宮市に次ぐ第5位(2020年時点)となっています。
市内を走る路面電車(市電)は、市民生活にしっかりと根付いており、朝の時間帯には高校生や会社員が列を成して利用する姿が印象的でした。市民の“足”として、今も現役で活躍しているのは素晴らしい光景です。
さて、豊橋市では「家庭教育支援条例」に基づき、放課後の居場所と学びの場として「のびるんdeスクール」という事業を展開しています。これは、小学校の部活動廃止に伴い、放課後の新たな取り組みとして生まれたものです。
全ての小学校で週2~3回、地域の外部講師による体験教室が開催されており、登録児童は5000人、年間延べ利用者数は12万人にも上ります。不登校の子どもが参加を通じて再び学校に戻るケースもあるとのことで、非常に意義深い取り組みだと感じました。
また、事業運営には教育委員会だけでなく市全体が関わっており、「子どもは家庭だけでなく地域全体で育むもの」という考え方が根付いているように思います。
ちなみに、豊橋市はお菓子「ブラックサンダー」の工場があることでも有名。路面電車にもラッピングが施されており、市役所でいただいたお菓子にもちょっとした地域愛を感じました。すぐそばには吉田城や豊橋公園が広がり、市民の憩いの場として親しまれていました。
福井県では、幸福度ランキング6年連続1位という地域特性を背景に、家庭教育支援条例が議員提案で制定されました。特徴的なのは「祖父母」の存在を明記している点です。三世代同居が多い地域性を踏まえ、家族全体で子育てを支える視点が盛り込まれていました。
条例制定にあたっては、議会主導で慎重な意見交換が行われ、少数意見や市民の声にも耳を傾けたことが印象に残りました。「親のかかわり方3つのポイント」など、分かりやすいリーフレットも作成されており、家庭教育への理解促進が図られています。
福井市の駅前では、恐竜のオブジェや壁面映像による演出が目を引きました。恐竜博物館で有名な福井らしい、観光とまちづくりの連携も感じられる仕掛けです。
家庭教育の支援は、家庭だけでなく、地域・行政・教育現場が連携することが不可欠です。今後の政策づくりに活かしていきたいと思います。
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