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【川崎市子ども夢パーク】子どもが「自分のままでいられる」場所

  • 執筆者の写真: 中村せせらぎ
    中村せせらぎ
  • 8月14日
  • 読了時間: 3分

 8月14日(木)神奈川県川崎市にある「子ども夢パーク」を視察しました。この施設は、「子どもがやりたいことを思いきりできる場所」「自分のペースで安心して過ごせる居場所」として、2003年に開設されました。学校に行かない選択をした子どもたちも含め、すべての子どもが「ここにいていい」と思える場を目指しています。

🌿 夢パークで見た風景

泥んこになって遊ぶ子、運び込まれた土砂の山に登る子、水遊びをする子、それぞれが思い思いに過ごしていました。大人が干渉せず、子どもの「やりたいこと」を尊重する雰囲気に包まれていて、スタッフの皆さんは「見守る」姿勢でそっと寄り添っていました。失敗も含めて、子どもの体験そのものが大切にされていることが伝わってきます。

 認定NPO法人フリースペースたまりば理事長で、元夢パーク所長の西野博之さんは、「子どもには、ここにいていいんだ、と思える居場所が必要なんです」と語られました。6月に白山市で開催された「『わたし』まんなかフェス」で西野さんのお話を伺った際も、涙が止まりませんでした。そして今回、再びお話に共感し涙がこみあげてきました。

「子どもは育てる対象ではなく、すでに一人の人間。子どもを信じることが、子どもの力を引き出すのです」

この言葉を、できるだけ多くの皆さんと共有したい。その思いをあらためて強くしました。

川崎市では、1997年以降の少年事件や不登校の増加を背景に、全国初の「子どもの権利条例」(2000年)を制定。条例第27条では、子どもが「ありのままの自分でいられる居場所」の重要性が明記され、市はその確保と存続に努めることとされています。

この理念に基づき、2003年に設立された「子ども夢パーク」は、以下の3つの柱で構成されています:

① 子どもの活動拠点

10〜18歳未満の子どもたちによる「川崎市子ども会議」では、自分の意見を自由に表現し、それを行政に届ける仕組みが整っています。子ども自身が政策形成に関わる、まさに「参加する権利」が保障された場です。

② プレーパーク(冒険遊び場)

土・水・火・木材など自然の素材を使い、子どもたちが自分の責任で自由に遊ぶ場。禁止事項を極力設けず、「けがと弁当は自分もち」という考え方のもと、失敗やけがも学びの一部として尊重されています。22年間で訴訟はゼロ。子どもが自らリスクを判断し、回避する力を育む場となっています。

③ フリースペースえん

日本初の公設民営のフリースペース。学校や家庭に居場所を見出せない子どもたちが、年齢や国籍、経済状況に関係なく通える場です。昼食づくりも子どもたちが主体となり、買い物や畑で収穫をし、献立を決め、買い物をして調理します。災害時の炊き出しにもつながる「生きる力」を育む実践が行われています。

施設は、NPO法人フリースペースたまりばと川崎市生涯学習財団の共同運営。開所時間は朝9時〜夜9時、中高生の利用も想定した時間設定で、年間利用者は約7万人にのぼります。

 野々市市でも、子どもが安心して過ごせる居場所づくりは重要なテーマです。川崎市のように、条例によって理念を明文化し、市民とともに場を育てていく姿勢は、私たちのまちづくりにも大きなヒントを与えてくれます。

子どもたちが「自分のままでいられる」ように、市民の皆さんと一緒に、そんな居場所を地域に広げていけるよう、これからも丁寧に取り組んでまいります。

 
 
 

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