【野々市】不燃物の日に思う~リチウム電池の火災リスク
- 中村せせらぎ
- 5月7日
- 読了時間: 3分
5月7日(水)は、下林さくら公園での月に一度の不燃物収集日でした。ガラス類、陶器類、金属製品、家電品、刃物類など、普段、一般ゴミでは出せないものが対象です。そして、その中には「電池」や「ボタン式電池」と並んで、最近特に注意喚起されている「リチウム電池」専用の箱も設置されていました。
この「リチウム電池」はいったい何がそんなに問題なのでしょうか?
◆ リチウムイオン電池ってなに?
リチウム電池とは、コードレス掃除機やゲーム機、デジタルカメラ、スマートフォン、モバイルバッテリーなどに使われている繰り返し充電して使うタイプの電池のことです。正式には「リチウムイオン電池」とも呼ばれます。
この電池は非常に便利で身近な存在ですが、実は衝撃に弱く、発火しやすいという危険性を持っています。野々市市のごみ処理を担う松任石川環境クリーンセンターでも、リチウム電池による火災が年に数回発生しています。
このため、野々市市では「充電式電池内蔵製品」を危険物として区分し、他の不燃ごみとは別に分けて出すことを求めています。分別の詳細については、こちらの市のホームページをご参照ください。👉 野々市市「リチウムイオン電池の分別について」
◆ 火災は全国的な問題に
この問題は野々市市だけでなく、全国各地でも深刻化しています。
2023年度、全国で8543件の火災が、リチウムイオン電池を原因として発生
前年度の約2倍、過去最多
被害額は少なくとも100億円以上(国立環境研究所の試算)
リチウム電池が他のごみに混入し、収集車内や処理施設で強い圧力や衝撃を受けて発火するケースが多いのです。バッテリー内部の「電解液」は灯油並みに燃えやすく、気化するとガスが溜まり、さらに発火リスクが高まります。そのため、環境省が2024年4月に新たな方針を示し、全国の自治体に対して以下を要請しました。
ごみステーションや戸別での分別回収を基本とすること
回収ボックスとの併用の推進
電池は使い切ってから排出するよう住民に周知すること
発煙・発火のリスク低減のため、電池の状態確認と安全な排出方法の徹底
たとえば大阪市では、回収ボックスの設置に加えて、職員が直接危険な電池を受け取る仕組みや、電話予約による戸別回収を行うなど、積極的な取り組みが進められています。
◆ 市民の理解と周知がカギ
下林さくら公園でも、「電池」「ボタン式電池」「リチウム電池」の箱が並んで設置されていました。中を覗いてみると、リチウム電池の箱には4つほど入っていました。まだまだ市民の皆さんの中には、「リチウム電池って普通の電池とどう違うの?」という疑問もあると思います。実際、私自身もその一人でした。
だからこそ、もっとわかりやすく、具体的に、身近に感じてもらえる情報発信が必要です。出し方を知らずに不燃ごみに混ぜてしまえば、収集車の方の命にも関わる事態になりかねません。
◆ 私たちができること
リチウム電池を使った製品は「燃えないごみ」に出さず、専用の箱に入れる
電池は必ず使い切ってから捨てる
少しでも不安な時は、市や環境クリーンセンターに確認をする
野々市市が進めている分別の仕組みはしっかりしています。あとは、それを活かす私たちの行動が大切です。
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