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執筆者の写真中村せせらぎ

【熊本県】熊本地震後の復興視察②熊本城復興整備事業

更新日:11月10日

 11月7日(木)熊本城は1607年加藤清正により築城された城で、現在は、13棟の国指定要文化財建造物をはじめ、復元整備等による20棟の再建・復元建造物を有しているほか、石垣は973面で約79,000㎡に及びます。熊本城は規模の大きな城郭の人地で「日本三名城」に数えられます。城郭全体の面積は約98万㎡、金沢城現在およそ23万㎡なので熊本城は4倍以上の広い面積があり規模も大きいです。  熊本地震(2016年)の被害は、重要文化財は13棟、再建・復元建造物20棟、石垣は崩落・膨らみ・緩み517面、陥没70カ所、管理施設など26棟です。2018年に、熊本城の復興に向けて「熊本城復旧基本計画」を策定し、その後2022年度にこれまでの達成状況や課題などを検証し、実績に基づく計画期間を当初の20年から35年に見直しをしました。

復旧基本計画の7つの基本方針は

1.被災した石垣・建造物の保全

2.復興のシンボル天守閣の早期復旧

3.石垣・建造物等の文化的価値保全と計画的復旧

4.復旧過程の段階的公開と活用

5.最新技術も活用した安全対策の検討

6.100年先を見据えた復元への礎づくり

7.基本計画の策定・推進

 2020年3月には展示型復旧を主旨として、復旧完了までの期間に限って主要区域に設置が認められた「特別見学通路」が完成し、公開が始まりました。復旧工事を計画的に実施しながら、復旧のスピードを緩めることなく、熊本城の被害状況や復旧過程を安全に見学できるようになっています。

 「奉行丸西側石垣崩落石材改修工事」は、今年度、崩落した石材の回収を行うもので契約金額は6,393万円。熊本市文化市民局熊本事務所復旧整備課が担当しています。

石材改修の流れは、

1.石垣面の除草や清掃作業

2.被災した石垣や石材の状況を詳細に記録するために測量を行う

3.回収する石材1つ1つに番号をつける

4.ナンバリングした石材を回収し、仮置き場に設置する。  このあと、解体修理の設計を令和7年度に行いますが、石垣の積み直しは令和22年の開始です。文化財の復旧にはとても長い時間がかかります。

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