加西市は、いじめ・差別・体罰・虐待などで苦しんでいる子どもたちを救うために、1998年全国に先駆けて「こどもの人権オンブズパーソン」を設置した自治体です。
相談は、「不登校」「学校・保育所等の対応」が最も多く、次いで「家庭生活・家族関係」が続きます。
加西市の人口が野々市市の約3倍で(0~14歳の年少人口比率は野々市より低い)加西市の2022年度の相談対象の子どもは53人、こどもに関係する相談者数は109人、年間相談・調整回数は694回で、子ども1人の相談・調整回数は、平均13回、1回で終わるケースは2割未満で年々長期的な関わりや関係機関との複数回にわたる連携や調整が必要なケースが増えています。野々市市教育センターでは年間相談・調整回数は761回でした。人口比を考慮すると野々市の相談数は大変多いと感じます。
オンブズパーソンは、市長の付属機関(地方自治法138条)で、教育員会など市の機関から独立した公的第三者機関です。①オンブズパーソン(学識経験者、弁護士、子どもの人権関係のNPO関係者)3名②こどもや保護者からの相談申立てを最初に受けてオンブズパーソンに報告し相談の継続や調査を行う調査相談員(通称相談員)4名③法律、医療、心理、学校教育などの専門家(通称専門員)11名が中心で運営しています。これだけの専門家を揃ていますが、職員の方は、マンパワーが足りていないという現状をお話くださいました。
こどもの人権オンブズパーソンは、2022年に提言で、1)相談事案の複雑さや、その組織的対応の必要性 2)教職員含め子どもを取り巻く関係者の協働の必要性 3)今年4月に施行された「こども基本法」の理念に通ずる「こどもの意見に丁寧に耳を傾けていくことがすべての問題解決の鍵」を明確にしました。駅前に相談ルームを開設、中学生の職場体験を受け入れるなど地道にその存在を示し、悩んだらこどもの人権オンブズパーソンに連絡するという素地が長い時間をかけて出来上がってきたと感じます。
加西市議会の議場では、以前車イスの議員がおられたため、質問席は車いすを乗せたまま床が上昇するシステムとなっていました。
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